少年事件の流れ
1 「少年」とは
少年法における「少年」とは、20歳未満の者をいいます。
少年法は、「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して、性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う…ことを目的とする」(1条)と規定しており、「刑罰を科して処罰する」ことが目的ではありません。
2 逮捕・勾留
事件が発覚すると、まずは警察による捜査が始まります。ここで少年事件の流れは「逮捕・勾留される場合(身柄事件)」と、「逮捕・勾留されない場合(在宅事件)」の2つに大きく分かれます。
⑴ 逮捕・勾留された場合(身柄事件)
逃亡・証拠隠滅のおそれがあると判断された場合、身柄を拘束される「逮捕」「勾留」の手続きがとられます。逮捕・勾留の段階では、少年事件の手続きは成人の場合と基本的に変わりません。逮捕・勾留期間は最大で計23日間です。
⑵ 逮捕・勾留されなかった場合(在宅事件)
逮捕・勾留されなかった場合は、普段通り自宅から学校や職場に通いながら、警察からの呼び出しに応じて取り調べを受けます。
3 家庭裁判所への送致
警察や検察による捜査が終わると、事件は「家庭裁判所(家裁)」へと送られます。これを「家裁送致」といいます。
成人の刑事事件では、検察官の裁量で「起訴」か「不起訴」かを決められますが、少年事件では原則としてすべての事件を家庭裁判所に送らなければならないというルール(全件送致主義)があります。そのため、身柄事件であっても在宅事件であっても、その事件は家庭裁判所へ送致されます。
4 観護措置(鑑別所)
家裁送致がなされた際、逮捕・勾留されていた少年の多くは「観護措置」という手続きを受けます。
これは、少年の身柄を「少年鑑別所」にて、一定期間(通常は4週間、最大8週間)収容するものです。
少年鑑別所では、心理学や社会学の専門家(鑑別技官など)が、面接や心理テスト、行動観察を通じて、少年の内面や行動パターンの分析(鑑別)を行います。
なお、在宅事件の場合は、鑑別所には入らず、自宅に住んだまま家裁からの呼び出しに応じて調査を受けます。
5 審判
少年審判は、犯罪等の非行に及んだ少年の処遇を決定するための手続きです。成人事件における「裁判」にあたるものですが、一般には非公開で行われ、厳罰を下すためではなく、非行傾向を矯正することを目的としています。
少年審判において言い渡される決定には、終局決定として、不処分、保護処分、検察官送致、知事又は児童相談所への送致があります。このうち、保護処分には、保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致があります。
6 まとめ
以上が、少年事件のおおまかな流れと概要です。少年事件で重要なのは、再び犯罪をしないように立ち直るための「環境」を作ることです。弁護士は付添人として、記録を精査するなどして、少年の問題点を把握し、その問題点の解消・環境調整を図ります。少しでも軽い処分になるように、バックアップいたします。